効く順は「大きくて重いもの」から
軽量化の議論は、しばしば歯ブラシを半分に切る話に流れます。実際に効くのはもともと重い装備を軽いものに替えることで、これはデータを見れば 一目で分かります。ヘッドランプをどれだけ吟味しても削れるのは数十グラムですが、 シュラフとシェルターとザックには、それぞれ数百グラムの余地があります。
下の表は、各カテゴリで「中央値の重量の製品を使っている」と仮定して、 それを収録最軽量に替えたら何g減るか(上限)と、UL帯の目安まで替えたら何g減るか(現実的な目標)を計算したものです。 最軽量への置き換えは多くの場合、容量や保温力を落とすことと引き換えになるので、 現実には右の列を見るのが妥当です。
| カテゴリ | 中央値 | 収録最軽量 | 最大の余地 | UL帯までの余地 |
|---|---|---|---|---|
| シュラフ | 940g | 175g | −765g | −240g |
| シェルター | 751g | 107.7g | −643.3g | 達成済み |
| バックパック | 699g | 100g | −599g | −99g |
| マット | 560g | 50g | −510g | −160g |
| キルト | 523.5g | 94g | −429.5g | −23.5g |
| レインウェア | 232.5g | 18.7g | −213.8g | −32.5g |
| 浄水器 | 223.4g | 20g | −203.4g | −123.4g |
| ストーブ | 182g | 11.5g | −170.5g | −102g |
| インサレーション | 230.5g | 69g | −161.5g | 達成済み |
| モバイルバッテリー | 230.7g | 70g | −160.7g | −50.7g |
| クッカー | 149g | 15g | −134g | −29g |
| トレッキングポール | 219.5g | 89g | −130.5g | −19.5g |
| ボトル・水袋 | 105.6g | 24g | −81.6g | −25.6g |
| ヘッドランプ | 87.2g | 11.1g | −76.1g | −27.2g |
1品で数百グラム動くのは上位だけ
表の上位に来るのは、就寝装備とシェルターとザックです。これらはUL三種の神器(Big3)と呼ばれ、軽量化の話が必ずここから始まるのは 単純にこの表の通りだからです。逆に下位の小物は、全部合わせても上位1品に届きません。
ただし上位ほど買い替えの金額も大きく、失敗したときの影響も大きいです。ザックを フレームレスに替えると軽くなりますが、荷重を腰に逃がせなくなるので、先に中身を軽くしてからでないと成立しません。順番としては、 シュラフ・シェルター・マットを見直してベースウェイトが下がってから、 最後にザックを小さく軽いものへ替えるのが安全です。
買い替えずに減らせるもの
表に出てこない削減余地もあります。持っていく数を減らす、兼用する、 サイズの小さいものにする——これらは無料です。
- マットの長さ。同じモデルのショートとレギュラーで数十〜百数十g違います。 足元はザックや衣類で代用できます。
- ペグと張り綱。テント付属のペグを軽いものに替えるだけで数十g動きます。 本数も、実際に使う数まで減らせます。
- スタッフサックと梱包材。製品付属の収納袋は使わなくても済むことが多く、 合計すると無視できない重さになります。
- 予備の電池・モバイルバッテリーの容量。日数に対して過剰なことが多い部分です。 必要量は「1日あたりの消費×日数」で概算できます。
自分の装備で計算する
いま持っている装備をパッキングリストに入れると、合計と内訳が出て、各行についてより軽い代替品と差分を提示します。この記事の表は 「一般にどこに余地があるか」ですが、パッキングリストは「あなたの装備のどこに余地があるか」を 出します。金額との兼ね合いは軽い装備は高いのかを参照してください。