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シュラフ・キルト・マットは3点セットで考える

公開 2026-09-02

同じ下限温度で比べると、キルトはシュラフより中央値で約37%軽い。 ただしキルトは背中側に中綿が無く、その分の断熱をマットに肩代わりさせています。 軽くなったぶんの一部はマットに戻ってくるので、就寝装備は3点セットの合計で判断する必要があります。

キルトが軽い理由と、その代償

キルトは、シュラフから背面の中綿とジッパーとフードを取り去った寝具です。 仰向けで寝ると、体の下になったダウンは体重で潰れて空気を含めなくなり、断熱材として ほとんど働きません。それなら最初から無くしてしまおう、という発想の道具です。

収録データで、同じ下限温度の帯にあるシュラフとキルトの中央値を並べると、その差が見えます。

温度帯シュラフキルト
下限 −30〜0℃(残雪期・晩秋)1.02kg299610g71415g40%
下限 0〜6℃(春〜秋の高山)685g61436g16249g36%
下限 6〜15℃(夏・低山)573g25368.5g10204.5g36%
収録データのうち、メーカーが下限温度を公表している行から計算。温度規格(ISO/EN・独自基準)が混在するため、帯の中でも厳密には比較できない点に注意。

代償は明確です。背中の断熱がゼロになるので、地面からの冷えはマットだけで防ぐことになります。シュラフなら潰れたダウンでもわずかには効きますが、キルトにはその保険がありません。 さらに、体とキルトのあいだに隙間ができると冷気が入ります(ドラフト)。多くの製品は ストラップでマットに固定する仕組みを持っていますが、寝相によっては慣れが要ります。

マットのR値は妥協できない

R値は地面への熱の逃げにくさを表す数値で、大きいほど暖かい。主要ブランドはASTM F3340 という共通規格で測定しており、当サイトが収録する数値の中でも 珍しくブランドをまたいでそのまま比較できる指標です。収録マット230件のうち205件がR値を公表しています。

R値主な用途件数重量の中央値
R1.0〜2.5夏・低山51410g
R2.5〜4.53シーズン68664g
R4.5以上積雪期75705g
収録データのうちR値が公表されている行から計算。断熱を上げるほど重くなる関係が読み取れます。

R値は重ねると足し算になります。薄いフォームマット(R2前後)の上に エアマット(R3前後)を敷けば、合計はおおよそR5相当です。この組み方には副次的な利点もあって、 エアマットがパンクしてもフォームが残るので夜を越せます。 軽さだけを見れば1枚のほうが有利ですが、単独行や携帯圏外では保険として選ばれます。

3点の決め方

順番を決めておくと迷いません。

  1. 行く季節と山域から必要な温度を決める。日本の3シーズンの高山なら 0℃前後を下回る夜がある、という前提から入ります。
  2. マットのR値を先に決める。ここを削ると、寝袋を暖かくしても寒いままです。 3シーズンならR3以上が目安で、キルトを使うならさらに余裕を見ます。
  3. そのうえでキルトかシュラフかを選ぶ。マットが十分ならキルトの軽さが そのまま効きます。マットを軽いものにしたいなら、背面に中綿のあるシュラフのほうが安全です。

この3点で選ぶ

収録データから探すなら、シュラフ・キルト一覧スリーピングマット一覧で、温度・R値・重量を並べ替えられます。 就寝装備は削減余地の大きい部分でもあるので、何から軽くするかも合わせて確認してください。

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