温度帯ごとの重量
温度の表記は、メーカー独自のものが最も多い。規格が違う数字を並べても、比べたことにはなりません。 そこで、快適温度をISO/EN規格で公表している製品だけを使いました。独自表記の224製品は外してあります。 快適温度は「その温度で寒がりの人が丸まらずに眠れる」目安のことで、下限温度とは別の数字です。
| 快適温度 | 季節の目安 | 中央値 | 最軽量 |
|---|---|---|---|
| 5℃以上 | 夏の低山 | 600g(42) | 330g |
| 0〜5℃ | 春・秋 | 782g(37) | 386g |
| −5〜0℃ | 晩秋・高所の夏 | 1.04kg(31) | 485g |
| −10〜−5℃ | 初冬・残雪期 | 1.27kg(13) | 930g |
| −10℃未満 | 厳冬期 | 1.58kg(10) | 1.31kg |
帯を1つ下げるごとに、中央値は182g〜306g増えます。増え方はほぼ一定です。寒い側だけ急に重くなる、ということはありません。 3シーズン用と冬用を1つずつ買うか、それとも冬用ひとつで通すか。迷ったときに効く数字です。春秋用と初冬用の差は493gで、これはマット1枚ぶんに近い重さです。
ダウンと化繊の差
同じ温度帯でも、中綿がダウンか化繊かで重さは変わります。差は、温度が下がるほど開く。 暖かくするほど中綿を多く入れることになり、かさあたりの保温力の差がそのまま重さに出るからです。
| 快適温度 | ダウン | 化繊 |
|---|---|---|
| 5℃以上 | 561g(25) | 780g(15) |
| 0〜5℃ | 768g(29) | 1.32kg(8) |
| −5〜0℃ | 1.01kg(26) | 1.56kg(5) |
| −10〜−5℃ | 1.27kg(12) | — |
| −10℃未満 | 1.58kg(10) | — |
化繊が重いのは事実です。ただし濡れても保温力が落ちにくく、価格も抑えられます。 梅雨どきの縦走や、洗濯機で丸洗いしたい人には現実的な選択でしょう。 一方で、冬に向かうほど収録そのものが減ります。厳冬期の帯には化繊がほとんど残りません。 寒い季節の軽量化は、ダウンにするかどうかではなく、ダウンの質と量をどう選ぶかの話になります。
フィルパワーは効くのか
フィルパワー(FP)は、ダウンのかさ高さの指標です。高いほど、少ない量で同じ暖かさを作れます。 ただし製品の重さを決めるのはFPだけではありません。中綿の量、生地の厚さ、ジッパーやフードの構造—— その合計が製品の重さです。同じ温度帯の中でFP別に並べると、効き方が見えてきます。
| 快適温度 | FP別の中央値 |
|---|---|
| 0〜5℃ | 650FP 770g(5)/700FP 820g(5)/800FP 845g(3)/850FP 727.5g(6)/900FP 550g(5) |
| −5〜0℃ | 650FP 1.15kg(6)/700FP 1.06kg(7)/850FP 835g(4) |
高いFPほど軽い。その傾向はあります。ただし帯によっては順序が入れ替わります。FPが高くても、中綿を多く入れれば重くなる。生地を厚くすれば差は消える。FPが示すのは「同じ暖かさを作るときの中綿の効率」であって、製品の重さそのものではありません。
同じ温度でも倍近く違う
帯の中の幅も見ておく価値があります。最も幅が大きいのは−5〜0℃の帯で、最軽量Cumulus Aerial 330(485g)に対し、中央値は2.2倍あります。同じ快適温度でも、生地の薄さ、ジッパーやフードを省いた設計、サイズの選び方で、これだけ変わります。 つまり、温度帯を決めたあとにも軽くする余地は残っている。順番を間違えなければ、という条件つきですが。
データから拾った製品例
春秋(0〜5℃)と初冬(−10〜−5℃)の帯から、最軽量と中央値付近を集計で選びました。 最軽量の製品は生地が薄く、ジッパーを省いた設計が多いので、使い方と合うかは製品ページで確かめてください。
温度で絞って探す
冬用だけを軽い順に見たいなら冬用シュラフの重量ランキングにまとめてあります。3シーズンや夏用を含めて温度とFPで絞るならシュラフ・キルト一覧から。行く季節で快適温度の下限を決める。その帯の中で軽い順に見る。 この順番なら、軽さだけを見て寒い夜を過ごす失敗を避けられます。